この記事は、葬儀・告別式・法要(一周忌など)に参列する方向けに書いています。
スーツを着る場面の中でも、葬式はもっとも服装の制約が多いシーンです。ただし、制約が多い=ルールが明確ということでもあり、実は選ぶものはとてもシンプル。
元スーツ屋の目線で、「これを押さえておけば間違えない」という基準だけを整理しました。 急な参列で不安な方も、これを読めば最低限のマナーと正解がすぐに分かります。
すぐ分かる|葬式用スーツの定番早見表
※細かいドレスコード指定がある場合は、そちらを最優先してください。
| アイテム | 正解 | 補足・注意点 |
|---|---|---|
| スーツ | 濃い黒・無地 | 礼服(喪服)が理想。ビジネス用ブラックとは黒の濃さが違う |
| シャツ | 白無地・レギュラーカラー | ボタンダウンは避ける |
| ネクタイ | 黒無地 | 柄なしが基本。シルク素材が無難 |
| チーフ | なし | 挿さない |
| 靴 | 黒・内羽根ストレートチップ | 外羽根も可。ローファー・ブーツは避ける |
| 靴下 | 黒無地 | 座った時に肌が見えない長さが理想 |
| バッグ | 基本なし | 持つなら黒のシンプルなクラッチバッグ |
アイテム別|詳しい解説
スーツ|「黒の濃さ」が最重要
葬式で着用するのは黒のスーツですが、よくある疑問がこちら。
礼服(喪服)と普通のブラックスーツは何が違うの?
結論から言うと、一番の違いは黒の濃さです。
実際に並べてみると分かりますが、
- ビジネス用ブラックスーツ → 明るい場所ではグレーっぽく見える
- 礼服(喪服) → はっきり分かるほど「深い黒」
この違いは、
- 染色工程を多くしている
- 糸を細くして黒をより浸透させている といった特殊な工程によって生まれています。
その分、礼服は価格も高くなりやすく、 相場は4万円〜10万円前後。
極端に安い礼服もありますが、黒が浅く見えることが多いため、 スーツ屋目線では5万円前後を目安に、 セール時などで一着持っておくのがおすすめです。
着用頻度は高くありませんが、 体型が大きく変わらなければ10年単位で着られるのが礼服です。
シャツ|白無地・レギュラーカラー一択
葬式では、
- 白無地
- レギュラーカラー が最も無難で、間違いありません。
ボタンダウンやカッタウェイシャツはカジュアル寄りのデザインなので不向きです。
ワイドカラーであれば、手持ちのもので代用しても大きな問題はありません。
ネクタイ|黒無地を必ず用意
ネクタイは黒の無地。 最近は100円ショップでも手に入りますが、 スーツ屋としては、できればスーツ専門店での購入をおすすめします。
理由はシンプルで、
- シルク素材は光沢が落ち着いて見える
- 結びやすい
特に普段ネクタイを締め慣れていない方ほど、 安価なネクタイは「締めにくさ」でストレスになります。
チーフ|不要
葬式ではチーフは挿しません。
靴|黒の内羽根ストレートチップが安心
もっとも無難なのは、 黒の内羽根ストレートチップ。
礼服を買うと、多くのスーツ屋でセット提案される定番です。 外羽根でもマナー違反ではありません。
避けたいのは、
- ローファー
- ブーツ
急ぎでどうしても、という場合を除き、 冠婚葬祭用に一足は用意しておくのがおすすめです。
靴下|黒・長めがベター
靴下は黒無地。 葬式は座る場面が多いため、 座ったときに肌が見えない長さが理想です。
気になる方は、スーツ屋で 「ロングソックスありますか?」 と聞いてみてください。 大手店なら、ふくらはぎまで隠れるものが置いてあります。
バッグ|基本は手ぶら基本は手ぶらで問題ありません。
どうしても必要な場合は、
- 黒
- 装飾の少ないクラッチバッグ
華美なデザインは避けましょう。
黒のビジネススーツ・リクルートスーツで行ってもいい?
結論: 条件付きでOKです。
- 黒色
- 無地に近い
- 光沢が強くない
こうしたリクルートスーツやブラックスーツであれば、 葬式に着用してもマナー違反にはなりません。
特にお通夜など、急に参列することになった場合は、 ビジネススーツでも問題ありません。
ただし、 葬儀・告別式・法要など正式な場では、本来は喪服がマナー。
スーツ屋が語る|葬式用スーツのぶっちゃけ話
- 実際にはボタンダウンシャツを着ている人もいる。ただし、礼儀として一式揃えておくのが理想。
- 「着る機会が少ないから」と安価な礼服を選ぶ人も多いが、 きちんとした礼服を一着持っておく方が、結果的に長く使える。
- 細身シルエットを勧められることもあるが、 葬式では正座・あぐらをかく場面もあり、 細すぎる礼服は生地を傷めやすいためあまりおすすめしない。
まとめ|迷ったら「濃い黒・シンプル」を選ぶ
葬式用スーツで迷ったら、 「濃い黒」「無地」「装飾なし」。
この3点を守れば、大きく外すことはありません。
突然の場面でも慌てないよう、 余裕のあるタイミングで一式揃えておくのがおすすめです。


