結婚式スーツの色選び|ゲストが失礼にならない色とNG例
結婚式スーツの色選びについて、着こなしや予算等を徹底考察しました。
色の印象はマナーにも関わる正しい知識が必要ですので、現役スーツ屋に「生の声」を聞き込み、また正確な情報を得るための文献調査を行いました。
スーツ屋しか知らない独自情報など内情に関しても、具体例を用いながら紹介していきます。
Contents
結婚式スーツの定番カラー3選|ブラック・ネイビー・グレーの違い
ブラック


迷ったらブラックスーツ一択
ザ・王道。礼服、ブラックスーツに用いられる色。礼服と聞くと、「葬式」のイメージが強いが、本来はフォーマル用のスーツなので、結婚式でも全く問題なく着用できる。
特に、親族はほぼマストで礼服。その為ゲストは、それを嫌って別の色にするという方も多い。
礼服とブラックスーツの違いについては別記事で詳しく解説しています。
>>ブラックスーツと礼服の違いとは?結婚式・葬儀で恥をかかない選び方ガイド
ネイビー

若向けのスーツ屋で勤務している方が、結婚式用スーツで一番売れる色と言っていました。ネイビー。
特に、ダークネイビーのベスト付きスーツはさわやかな印象と共に、誠実な印象も与えられる為、結婚式で着るのに間違えない色だと考えられます。
「式典なのにネイビーで行ってもいいの?」とよく質問がありますが、華美な色でなければ問題はありません。真っ青のスーツや、遠目から見ても強いストライプ(チョークストライプなど)の入ったスーツでなければ、全く問題ありません。
仕事でも使いやすい色味ですので、仕事用と兼用で買いそろえるのもアリだと思います。
もし、スピーチをする、受付をする、親族の結婚式で、という方で、不安になった方はグレーや黒でもいいと思います。より不安な方用に、エビデンス代わりに式典の礼装についてまとめた記事も置いておきます。お時間あるときに読んでいただければ、話の小ネタくらいにはなるかと思います。
>>正礼装・略礼装完全マニュアル|時間帯・シーン別の着こなし方
チャコールグレー

グレーでもチャコールやダークグレーなど、落ち着いた色味のグレーのスーツが良いです。
グレーという色味は、黒に次いでかっちりした印象の色味ですので、間違えありません。
柄としても、無地か無地見えするような薄い柄なら特に問題ないです。
式典では、ジャケットと同じ生地のベスト、またはグレーのベスト(紺や黒のスーツにグレーのベストを合わせるスタイル)が主流ですが、グレーのジャケットに違う色味のグレーのベストを合わせるとチグハグな印象になりますので、グレーの3ピーススーツで行きたい方は、もともとセットの商品を買うか、オーダーするときに前もってつけておくといいでしょう。
ブラウン

カジュアル寄りの式やガーデンウェディングなどのややラフな場での結婚式向き。
昔までは”ブラウン”は「泥の色」として、新郎新婦に泥を塗る、なんて言われていたらしいです笑。
今時そんなことを言われるかは甚だ疑問ではありますが、フォーマルな色ではない事は確かなので、式典の雰囲気や新郎新婦との関係性などを考慮したうえで決めるべきだと思います。
また、シャツやタイまでカジュアルにすると、カジュアルすぎる印象になってしまうので、あえて中はかっちり(例えば、白シャツに白やゴールドのタイ)させるとバランスが良くなります。
結婚式で避けるべきスーツの色・NGマナー 一覧
年々、結婚式のカジュアル化が進み、正直どんな服装でも怒られることはほぼないですが、礼儀(マナー)として控えた方が良い色柄を紹介します。
白・アイボリー・ライトグレー(花嫁と被る)
白はもちろんダメですが、アイボリーやかなり明るめのグレーもやはり目立ちますので控えた方が良いです。アイボリーやライトブラウン、ライトグレーはビジネスだと見受けられる事もありますが、あくまでも主役は「新郎・新婦」ですので、気を付けましょう。
お洒落をするならインナーで攻めましょう。
派手色(赤・黄色・明るすぎるブルーなど)
これらも、主役は「新郎・新婦」であることを考えれば控えるべきでしょう。
特に、スーツにおいての赤や黄色など特殊な色は、少し色味が濃くても目立ちます。もしオーダーで、人と変わった色味が良いという場合は、かなり慎重に決めるべきだと思います。
余談ですが、オーダースーツ屋で勤務していたとき「せっかく結婚式招待されたから派手な色がいい」と仰るお客様とこの話になり揉めたことがあります。
極端な柄物(派手チェック・ストライプ太め)
上記よりは控えめではありますが、チェックでも様々な色味が複合的に入っているチェックや明るい五色味でかつグレンチェックのスーツなどは、スーツ屋で時々見ますが控えた方が良いでしょう。
また、ストライプも華美でなければ、そこまで問題はないと思います。問題なのは、太く濃いストライプです。


立場別スーツカラーの選び方|新郎父・親族・友人・職場関係ゲスト
親族ゲスト
親族は、基本礼服(ブラックスーツ)で大丈夫です。冠婚葬祭用に買ったものなら間違えないです。
ただ、二点注意。
父親の場合、厳格に行くならモーニングコートも選択肢に入ります。厳粛な雰囲気の場合だったり、新郎新婦との衣装の打ち合わせなどで決めておくべきでしょう。ただ買う必要性は、今の日本の礼装状況を見るにほとんど必要性を感じられないので、レンタルでいいと思います。
もう一点は、繰り返しになりますが、礼服用のブラックスーツではなく、ビジネス用のブラックスーツは極力控えるべき。というお話です。
正直、冠婚葬祭でも葬式では、夜になりますので、黒の濃さが分かりにくいです。ただ日の出ているうちにやる結婚式では、親族一同で並ぶと色の濃さがはっきりと分かります。ゆえに、スーツのスタイリストとして助言させていただきますと、そんなに十何万とかいう高い礼服ではなくていいので、4,5万くらいの礼服一着持っておいた方が安心だと思います。
友人ゲスト
先に上げた、黒・紺・グレ―であれば問題なく、また仕事で着ているスーツでも問題ありません。
ただ、仕事で着ているスーツを結婚式に着ていく際に、一つ注意点があります。
それは
「仕事帰りみたいだね」ってならない事です。
いつものスーツにいつものネクタイを締めてしまっては、仕事帰りに見えてしまい、式典に呼ばれたゲストという立場として、若干不釣り合いに見えます。その為、いつものスーツ(派手ではない)でもフォーマルっぽさを意識することが必要です。
例えば、「白いネクタイ」+「グレーのベスト」+「ポケットチーフ」だけで大分印象が変わります。


職場関係ゲスト
職場の方の結婚式は、同僚などならそこまで気にする必要性もないかと思われますが、上司や部下などの結婚式なら、ある程度控えめにした方が良いでしょう。
原則として、結婚式のゲストは「新郎新婦が主役・衣装は関係性に依る」が前提です。
例えばかっちり目であれば、ネイビー無地・グレー無地の3Pスーツに、白のシャツ、シルバーのネクタイくらいで押さえておくのが安心です。ただ繰り返しになりますが、関係性に依ります。
自分が”可愛がっている部下”の結婚式に参列した時は、グレーの3Pスーツにライトグレーのシャツ、ネイビーのフォーマル用のペイズリー柄のネクタイで行きました。逆に、”とてもお世話になってる上司”の結婚式には、受付もやることになったため、ブラックフォーマルにグレーのベスト、ゴールドのネクタイで控えめに行きました。参考になればと思います。
季節別・結婚式スーツの色と素材|春夏秋冬の正しい選び方
フォーマルシーンなので、季節は関係ないと思われがちですが、スーツには明確に「春夏・秋冬」の区切りがあります。ですので、礼服でなければ、若干でも意識しておくことで決めやすくなるかと思います。
春夏
オススメ→ネイビー・ミディアムグレー(涼やかに見える)
春夏は、秋冬に比べ爽やかな色味や明るめの色味が増えます。明るすぎるのも問題ですが、少し爽やかなネイビーやミディアムグレーのような色味はとてもよく合うかと思います。
また、よりカジュアルな場での結婚式では、もちろん関係性に依りますが「ベスト(ジレ)スタイル」もとてもカッコいいと思います。
ネクタイは、定番色に加え、水色やピンクなども選択肢に上がってくるかと思います。また、中級者以上になりますが、リネンのネクタイは発色が鮮やかなものもありますので、もしスーツ屋にふらっと立ち寄った際にいいネクタイがあれば、夏用フォーマルとして素敵なコーディネートになるかと思います。
夏のフォーマルシーンとして、よく質問が上がるのが「暑い」という点です。
これには、明確に「盛夏用」の礼服が視野に入ってきます。一般的に礼服は通年用で作られていますが、紳士服大手チェーンでは「盛夏用」のフォーマルスーツが販売されています。ただ、通常の礼服と値段は変わりませんので予算次第になるかと思います。
秋冬
オススメ→チャコールグレー・深みのあるネイビー
秋冬は、少し落ち着いたシックなトーンがおすすめです。また、冬場は肌寒くなりますので防寒の意味でもベストがあると全然違います。よくダウンのベストがスーツに合うのか論争を見かけますが、正直ウールのベストでも十分暖かいです。
また、クラシカルな印象にもなりますのでピンストライプやチェック柄のスーツやネクタイなどを合わせるとワンランク上の着こなしになるかと思います。
結婚式スーツの色合わせ完全ガイド|スーツ・シャツ・タイ・靴の組み合わせ
礼服+白シャツ+シルバー系ネクタイ→安心フォーマル

ネイビースーツ+サックスブルーシャツ+シルバーネクタイ=爽やか

グレースーツ+ライトグレーシャツ+バーガンディネクタイ=大人っぽい

結婚式ゲストのスーツ色選びまとめ|失礼にならないためのポイント
結婚式のゲストとしての原則は「新郎新婦が主役」「衣装は関係性に依る」
スーツの色は「ブラック」が絶対安心、ネイビー・チャコールグレーが定番
ネクタイを「フォーマル用」にするだけで仕事用スーツがフォーマル用に様変わり
ぜひ、結婚式の衣装決めの参考になればと思います。疑問などがありましたら、返信は行っていませんが、XのDMにてお願いします。次回の記事の参考にさせていただきます。