スーツやワイシャツを購入する際、「自分のサイズがよくわからない…」と悩んだことはありませんか?
スーツやワイシャツは、様々な体系に合わせるためにやや複雑なサイズ表記となっています。
本記事では、スーツ・ワイシャツのサイズの表記方法から、ジャケット・パンツ・ワイシャツの正しいサイズ感の確認方法、さらには既製服の調整ポイントまで、初心者でもわかりやすくまとめました。
この記事を読めば、自信を持ってサイズ選びができるようになり、スーツをよりかっこよく着ることができます。
スーツサイズの基本と表記の見方
一般的にスーツ屋でのスーツのサイズは「JIS規格」がよく用いられます。
例えば、「YA4」や「A5」といった表記を見たことがある方もいると思います。
この表記は「ウエスト(※1)」と「身長」を組み合わせてサイズを示します。
サイズ区分の仕組み
- ウエスト区分: Y(スリム)→YA(中間)→ A(標準)→AB(中間)→ BB(ゆったり)→ E(大きめ)
- 身長区分: 4, 5, 6, 7, 8…(例:165cm〜185cm)

例えば、標準体型で身長175cmの場合は「A6」がサイズとしては近いということになります。ただ、店によってシルエットやウエストの定義が変わります。
「ある店ではA6だったのに、この店ではAB6だった」ということはよくあります。
ただ、自身のウエストと身長が分かればサイズ案内はスムーズで、またオンラインで買う時もおおよそのサイズの目安を付けることができます。
サイズが合わない場合
既製服のサイズ表はあくまで一般的な日本人の体型を基準にしています。着用者の「袖が長い」「腹が出ている」「肩幅が広い」「筋肉質」などの体型によって、異なるサイズを試着することがあります。
一般的にはジャケットのサイズを先に合わせ、次にパンツを直すという流れでサイズ調整します。
なぜなら、ジャケットの直しはほぼ効かないのに対して、パンツはかなり幅を持った直しが効くからです。
※1 本来は(チェスト-ウエスト)の差で表しますが、大手紳士服チェーンではウエスト表記が多いため本記事でもウエストで統一しています。
スーツのサイズが合っているか確認する方法
スーツ選びでは基準を知っておくことが大切です。感覚だけで選ぶと、偏ったサイズ感になることが多々あり、また店員さんを困らせることがありますので…
スーツ試着時の簡単なチェックポイントをまとめました。
ジャケットのチェックポイント
- 肩: 肩先(肩パットの先端)が外側や内側に折れ込んでいない
- 首回り: ジャケットの首回りがワイシャツとしっかり接している
- 袖: 手首の骨の突起あたりの長さが理想。シャツの袖が少し見えるのが正しい着方だが調節が効く
- 胸: 緩すぎずキツすぎず、綺麗に覆う
- 脇: 適度に食い込んでいる。しわが寄るほどきつい場合はサイズが合っていない
- 着丈: 流行や好みにより変わる。細身ならお尻にかかる程度、ゆったりめはお尻と太ももの境目まで。標準としては、お尻の出っ張ったところ辺りに着丈が被っている


ベストのチェックポイント
- 着丈: ベルトが隠れるくらい
- 胴回り:脇回りにダボ付きがない
パンツのチェックポイント
- ウエスト: ベルトなしでもずり落ちない。容易に調整可能なので他の部位を優先
- ヒップ: 腰ポケットが自然に落ちる、ポケットが張ってるとキツイ合図
- 太もも:正面から見て、 縦ジワが大きい場合は大きめ。センタープレス(真ん中の折り目)が消えるときつめ
- 裾の長さ: 流行や好みにより「短め(革靴にかからない)」「標準(少し乗る程度)」「長め(しっかりかかって窪みができる)」に調整
直しについて
既製服のサイズ合わせはジャケットから行うのが基本です。ジャケットの直しは難しく、パンツは比較的容易だからです。
ジャケットに関して、よく直す箇所は袖のみです。物によっては出来ない、あるいはお断りされるスーツもあります。着丈の調整はシルエットが崩れるためお勧めしません。
パンツはウエスト・太もも・裾の調整が基本的にできます。
ワイシャツのサイズについて
ワイシャツのサイズも店ごとに規格が異なりますが、主に首回りと袖の長さで決まります。
単位はcmです。
首回りと袖のサイズ例
- 首回り: 35-36(SS)、37-38(S)、39-40(M)、41-42(L)、43-44(3L)、45-46(4L)、46-47(5L)
- 袖の長さ: 78, 80, 82, 82, 84, 84, 86, 86, 88, 88, 90
- 例:S80、M82、L86
よく見るのは、S~3Lまで。袖も小さいサイズだと80前後。大きいサイズでも88前後です。
SSサイズや袖周りが90オーバーなどは、大型店での展開やイージーオーダーのイメージがあります。
首回りと袖の長さでワイシャツのサイズが決まるため、店員さんに測ってもらえば簡単に選べます。
袖が短い場合は長い方を選ぶのがおすすめです。なぜなら、1cm前後であれば、昨今のワイシャツは袖部分に調整用のボタンが複数個ついてることがあり、袖部分を絞れば、ずり落ちてくることはあまりないからです。
袖詰めの調整も比較的やってもらえることが多いです。
ワイシャツのサイズ確認方法
首回り
第一ボタンを締めたときに指が一本入るかが基準です。慣れないとキツく感じますが、一本入れば問題ないです。
慣れない方は縦二本分の余裕を持たせることもありますが、全体的に大きくなります。
袖
手首のくるぶしにややかかる長さが理想です。ジャケットを着るとシャツの袖が少し見え、正しい着方になります。
長すぎる場合はボタンで調整するか、オーダーや袖詰めを検討します。
身頃
シャツをスラックスに入れたときに大きなダボつきがなければ問題ありません。ジャケット着用を前提にしているため、多少のゆとりは隠れます。近年は、横ジワが出るほどピチピチのシャツよりも、ややゆとりのあるシルエットが定番です。
まとめ
正しいサイズ選びのポイントを押さえることで、スーツやワイシャツはより快適に、格好よく着こなせます。
まずは試着で確認して、自分に合ったサイズを見つけてみてください。