【永久保存版】誰も教えてくれない「スーツ」の買い方・見分け方

こんにちは、今回は誰も教えてくれない「スーツ」の買い方・見分け方についてまとめます。

スーツ屋に行ったはいいが、適切な価格帯がわからない、ぼったくられたくない、サイズ感が心配、色柄で悩む、まず何がいいのかよくわからない。

そんな方向けになるべく難しい話は抜きで、スーツ屋経験が長らくあり、尚且つ「スーツ」が好きすぎる余り年中金欠の私が、客目線に立って色々とまとめてみました。随時更新して、なるべく最新の情報をご提供できればと思いますので、一読していただけると幸いです。

本記事では、主に20代~30代までの平均的なサラリーマンの方、ビジネス用途。

セレクトブランドではなく、普通のスーツ屋で購入することを前提に進めて行きます。

【2/6更新】

予算

まずは予算から。量販店・既成のスーツの価格帯で調査し、まとめている

セレクトブランドは評価外。オーダースーツは、大体既成スーツの1.5倍~くらいがオーダーで注文するときのベースの価格と考えていいと思います。もちろんいい生地はもっと上がりますし、オプションによって全然価格は変わります。

激安スーツ〈¥10,000~¥20,000前後〉

最近は物価高に寄って少なくなりましたが、いまだに大手紳士服やその系列で根強く残っています。

また、大手衣料品のブランドもセットアップでこの価格帯の商品を多く見かけます。

【メリット】

一度しか着ないイベント事や、年に数回しか着ない、価格帯をできるだけ抑えたいという方に向いています。

【デメリット】

価格の実現の為に、原価の安いポリエステルを使ったスーツが大半です。

よれやすい、生地が薄い為、しっかりとしたビジネス向けに使いたい方には向いていません。

またテカりやすい、ポリエステル素材で一度シワがつくと取れにくい為、毎日スーツを着る方にもあまりオススメはできません。

【コメント】

取り急ぎで必要な方、ジャージ(シャカシャカ)素材のスーツが良い方、なるべく価格を抑えたい方向けかと思います。

スーツ屋の営業として、「低価格のスーツもありますよ」と看板や広告に使ういわゆる「フック」としての側面が強く、あくまで最低限の装備と考えてよいでしょう。

たまに、年末年始やクリアランスセールで元値四、五万のスーツが半額になってこの価格になるスーツがありますが、個人的によく買います笑

安価スーツ〈¥25,000~¥35,000前後〉

何店舗か大手紳士服で勤務しましたが、一番よく売れた価格帯は、客層や予算をトータルで考えると、このあたりだと思います。

特に、「二着目\1,000のスーツ」「下取りで一万円引き」等をやっているスーツ屋だと、割引前提として値段が決められる為、割引込みで結局このくらいの価格帯で購入される方が多いのではないでしょうか。

また、\20,000前後の安いスーツの素材で、パンツが二つある「ツーパンツスーツ」もこの価格帯で販売されることが多い。

【メリット】

比較的安価で入手ができる。

ビジネススーツであれば、割引込みで1着\30,000くらい出せば色々選べてちゃんと着れる。

ウールが含まれたスーツも中にはある為、高見え出来てコスパもよい。

家で洗えて、しかも生地がペラペラでないスーツもある為、ビジネス使いとしても安心できる。

【デメリット】

ブランドによって価格にムラがあるので、生地をしっかり見る必要がある。(一般的にはウールが含まれていると良いとされるため、ウール30ポリ70前後くらいがこの価格帯として、良いと考える。ポリ100のスーツもザラにある。)

価格を抑えている為、良くも悪くも地味なスーツが多い。シルエットや色柄もあまり選べないことは覚悟するべき。

【コメント】

ビジネス使いで間違えない価格帯だと思います。よくある、「二着で\60,000」「一着\50,000二着目\1,000」「四万のスーツが下取りで\10,000引き」等のセット割引などで着数を揃えたい方にも向いてます。

ただ良くも悪くも安価な価格帯。おしゃれなスーツが欲しい、長持ちさせたい、カッコよく着たいとなると、+\10,000出してもいいかなとは思う。妥協が必要な価格帯。

ぶっちゃけ無地のスーツでも、シャツタイシューズでカッコよくできるので、そっちを色々考えたほうが割安になることも全然ある。

中価格帯〈¥35,000~¥45,000前後〉

色柄も豊富、シルエットも豊富、またベスト付きスーツやツーパンツの展開が多いのもこの価格帯。

これくらいの予算を持ってくと外れが少ない。

【メリット】

インポート素材や国内メーカーの生地を使っているスーツもあり、高級感が出てくるのはこのくらいの価格帯から。

ブランドにもよるが、幅が広がる為、ベスト付スーツや、ちゃんとした素材のツーパンツスーツ、ダブルのスーツも選べることがある。

仕立てもしっかりしているものが多く、ステッチや裏地、ボタンやボタンホールなど細部もしっかり作られているものもよく目にする。オーダーすると高くつくところも込み込みなので、非常にコスパがよい。

【デメリット】

ぶっちゃけ、ぼったくりのスーツの価格帯もこのくらいが多い。より下の価格帯だと利益が出にくい為である。

良いスーツも多いが悪いスーツも多い。しっかりと生地を見たり、着心地で判断するのが吉。

【コメント】

どの量販店に行ってもこれくらいがちょっといいスーツの相場なのであまりデメリットらしいデメリットがない。

著者が買い物するときは、このくらいをセットで買って割引込み、七万とか八万とかの会計になる。

「ちょっといいスーツ」はブランドによっての良さが全然違うため、このくらいの予算で良いという方は、何件か回ってみると良いスーツに出会えると思います。これより価格帯が低いとそこまで大きな差は感じにくいです。

高価格帯〈¥45,000~¥60,000前後〉

既成でこの価格帯だと、生地や仕立ても大分かわってきます。

【メリット】

よくスーツ屋で見る生地のブランド「カノニコ」「ヒルトン」「尾州」「ロロピアーナ」「レダ」…など有名なメーカーの生地をこの価格帯で買えるのは、とてもお得だと思います。

オーダーだと、生地だけでこれの1.5倍くらいの価格しますからね

生地自体のぬめり感だったり、ハリ感が出てくるものこのあたりから。スーパー○○みたいなのもこのくらいからですね。良いスーツかつ外れも少ないと思います。

【デメリット】

生地のところでも話しますが、大体インポートの素材はウール100が多い為、シワにはなりやすいです。

ただちゃんと吊るして干しておけばシワ回復率も高いので、長くカッコよく着れると思います。

糸が細いスーツでは、耐久性に難のある商品もあります。

使うシーンを明らかにしたうえでシッョプスタッフと相談してみてもいいかもしれません。この価格帯を買う意思があるお客さんは、スタッフにとっても、嬉しいですからね。

【コメント】

ブランドによっては、有名生地メーカーの素材でも一個下の価格帯で販売されることもあります。アウトレット店舗とかもそうですね。様々なスーツを様々なところで買うことでスーツの経験値が貯められ、相場観や自身の好みに沿ったシルエット、生地メーカー、ブランドが決められていくと思います。

高価格帯+〈¥60,000~〉

スーツ量販店では、数が絞られてくる「ワンランク上」のスーツです。

【メリット】

スーツ量販店では、大型店限定などで数が絞られることの多い特別なスーツです。

生地が良いのは当たり前で、国内縫製であったり、ディテールにこだわりがあったりとしっかりとしたスーツを着たい方にはお勧めです。

生地自体も、「ゼニア」だったり「レダ」だったりと、ちゃんとしたブランドの既成のスーツなので、オーダーだと余裕で10万を超すような生地でも、このくらいの価格帯で購入できるのは、量販店の強み。

【デメリット】

数が限られての販売になるので、スーツ屋に通ったり、情報を仕入れる必要がある。

サイズが限られていることもある為、ウエストが大きめ、小さめの方はない場合もある。

【コメント】

独特なデザインや、独特の色柄などがあるのがこの価格帯。お財布に余裕があれば、ぜひ一度来てみると、着心地だけでも大分驚かれる方も多いです。何着か持っていますが、テンション上がりますね。

生地

ウール

スーツの表地として、良い要素を兼ね揃えており、「繊維の王様」と別称が付くほどの間違えない素材です。

メリット

・冬は暖かく、夏は涼しく着れる。ウールと聞くと暖かい印象を抱く方もいると思いますが、ちゃんと秋冬、春夏と分けて着ると、とても快適に着られます。

・吸水速乾。表面がベトベトになりにくく、また静電気も抑えられる。

・天然素材の為、油分があり、海洋性のものをはじいてくれます。それにより結果的に汚れが付きにくくなります。

・染色がしやすい。難しい配色や、こだわった配色ができるため、様々なバリエーションでおしゃれを楽しめる。

・アイロン(熱)で綺麗にシワを伸ばせる。

デメリット

・湿気が一定以上に達すると、吸湿性が落ちるため、盛夏用としてのスーツとしては少々役不足。真夏に外をよく歩く外回りの営業マンなどは一考の余地あり。

・家庭での洗濯は難しい素材です。その為、ウールにポリエステルを混紡したスーツなどで、洗濯もでき、尚且つウールらしさもあるスーツが人気です。

・虫食いの危険性がある為、保管には気を付ける必要があります。

ポリエステル

メリット

・強度が強く耐熱性もある為、シワになりにくい。

・水分を吸いにくいので、乾きが早い。

・製造コストが安い為、比較的安価に製造ができる。

デメリット

・夏の高い湿度では蒸れやすく、冬の乾燥期には静電気が起きやすい。

・毛玉が発生しやすい。

・染色がしにくい為、発色染色が難しい。どうしても単調になりがち。

リネン

メリット

・水分の吸収・放湿性に優れている為、盛夏用のスーツとして重宝する。

・耐久性が高い。

・家庭での洗濯が容易に行える繊維。

デメリット

・繊維が固い為、シャリ感が強く、しわが出来やすい、シワが付いてくる生地。

・染色性が高くないため、はっきりとした色合いはなかなかでない。

サイズ感

サイズ感がスーツの全体的な「完成度」を決めます。

どんなに上質な生地を使ったスーツでも、サイズ感が合わなければ「似合ってないな」という印象になってしまいます。

スーツのサイズが簡単にS・M・Lで言い表せないのは、スーツがスーツである所以です。そのためにスーツ屋には、他のアパレルよりも多くのスタッフがいるというわけです。

これからスーツのサイズとある程度のスーツの適正な着方を紹介しますが、素人が一朝一夕で分かるほど簡単ではありませんので、軽く頭に入れて置き、ショップスタッフと相談するのがよろしいかと思います。

「スーツのサイズがわからない」というお客様からの相談が、スーツ屋をやっていて一番よく聞く質問なので、全く心配なくて大丈夫です。ではまいりましょう。

スーツのサイズ表記

日本のスーツのサイズは「JIS規格」でのサイズがよく用いられます。

「YA4」や「A5」といった表記です。

この表記は「ウエスト(※1)」+「身長」を記号化して表します。

区分YYAAABBBEE
ウエストスリム←中間→標準←中間→ゆったり←中間→大きい
身長区分45678
身長165-170-175-180-185-

それらを足して、例えば標準の体系で175cmの身長だった場合「A6」とサイズ決定がなされるわけです。

注意したいのが、「ウエスト」の部分はスーツ屋によって若干異なりますが、逆にウエストサイズと身長さえ分かればすぐに案内してもらえます。

しかし、このスーツのサイズも一般的な日本人の体系を標準化したものにすぎず、着用者の「袖が長い」「腹が出ている」「肩が大きい」「筋トレをしている」などの事情により、違うサイズの試着を促されることがあります。

そうしてジャケットのサイズを合わせ、次いでパンツを直すというのが一般的な既製服でのサイズあわせになります。 

※1、本来は(チェスト-ウエスト)の差を記号化したものであるが、大手紳士服チェーンのサイズ表ではほとんどが「ウエスト」での表記となっていたため、その様に表記しました。

スーツのサイズがあっているかを確認する方法

スーツのサイズ合わせは基準を知らないと、よくわからず感覚で物を言ってしまい店員さんを困らせてしまいます。

そのため超簡単にスーツの適切なサイズを一覧でまとめましたのでご参考にしてください。

また既製服ですと、その仕組み上、「妥協」も視野に入ってくると思います。妥協無しで作るなら、一着当たりの予算を倍にしてオーダーショップに行くといいと思います。安価なオーダーショップでは作り直しができないところも多いですが…

ジャケット

・肩-肩の先が外、内側に折れ込んでいない。

・首-ジャケットの首回りがちゃんとワイシャツと接している。接していないと大きいか、肩に引っ張られてキツい

・袖-袖を下したときに手首にある骨の突起付近に長さがあるのが理想。

→そうすると、”適切なサイズのワイシャツ”を着ていると、ややシャツの袖が出て理想の着方になる。

・胸-緩くもキツくもなく、綺麗に覆っている

・脇-ある程度、脇に食い込んでいるのが良い。食い込みすぎてしわが寄っているようだときつい

・着丈-流行によって左右する。細めのスーツならお尻にかかる程度。普通はお尻が半分以上隠れているのが良い。ゆったりめなら、お尻とふとももの堺にあるのが良い。

ベスト

・着丈-ベルトが隠れるくらい

パンツ

・ウエスト-ベルトを用いずにずり落ちてこないのが理想。しかし、ウエストは容易に調節ができるので、他を優先し後でビ調節するのが得策。

・ヒップ-お尻が大きかったり、腰骨が出ていたり、そもそもウエストがきついと腰のポケットが張って前に出てきてしまう。腰ポケットが自然に落ちているのが良い

・ふともも-全体に大きな縦しわが出ていると大きい。逆に正面から見て、センタープレス(パンツ正面の腰から裾にかけての折れ目)が消えていると、張りすぎてきつい

・裾の長さ-流行と好みに左右される。足の甲にかかる裾の長さで「短め」「標準」「長め」が決まる。

「短め」なら足の甲にかからない。細めのスーツに多い。

「標準」は、裾口がやや足の甲にかかり少し先端が折れる。標準的なスーツに多い。

「長め」ならしっかりかかりボコっという弛みが出る。ややゆったりしたスーツや「礼服」に多い。

直しについて。

基本的に、既成のスーツの合わせ方は「ジャケット」から合わせるの定番です。

なぜならジャケットの直しは難しく、またパンツの直しは比較的容易にできるからです。

よく直しをする個所としては、ジャケットは「袖」のみ。着丈などもスーツ屋によってはやってくれるが、全体的なシルエットが崩れるため、お勧めしない。それならば、サイズを変えるかオーダーのほうが良い。

パンツの直し

「ウエスト」「ふともも(渡り)」「裾」に関しては、大きく(出したり)小さく(詰めたり)することが比較的容易にできる。

スーツ購入までの全体的な流れ

スーツ屋決め

スーツ屋の選び方は、別記事で詳しく説明しています。→

強いこだわりが無い場合は、「行きやすい場所」が良いです。職場の近くなり、最寄り駅なり、乗り換えで使う大きな駅の近くなり…なぜなら、スーツは基本的に裾を直しますので、受け取りの手間がかからない所のほうが効率的です。もちろん配送をやっているところもありますが、送料がかかってくるのと、再調節を依頼したいときに面倒だからです。

行きつけのスーツ屋があると、買い足しなどの時もサイズが分かっているのでスムーズです。

②来店

何もわからない場合、早めに店員さんに話しかけて要望を伝えるとスムーズです。

大体のスーツ屋は、サイズ事orデザイン事で分かれています。早めに確認しておくと、「自分のサイズがない!」ということがなくなるかと思います。

③採寸

自身のサイズが分かっている場合は、採寸抜きでそのままスーツを選んで試着して終わりですが、初めて行く方は採寸がほぼ必須です。先ほどサイズ表を掲載しましたが、スーツ屋によっては元々のサイズが細めだったり、逆にゆったりだったりがありますので、いったん図ってもらうといいでしょう。

どの店員さんでも、快く案内してもらえますが、その後の接客もその方が付きますので、「話しやすそう」だったり「この人のスーツの着こなしカッコいいな」とかその程度でスタッフを決めると案外心地よく接客してもらえたりします。

④スーツ選び

サイズやデザインが決まったら、スーツを選んでいきます。自身の要望をはっきりさせておくと、スーツ選びがスムーズです。逆にふわっとしすぎてしまうと、長考してしまい時間がかかります。店員さんはその道のプロですから、しっかり話を聞き、決めましょう。その一着が大切な一着だとしてもスーツという服の都合上、基本的に一生ものにはなり得ません。一番目的に近いものを選びましょう。

⑤試着

既製服ですので、上下で試着しましょう。パーカーや厚手のシャツを着ている場合は、試着用のシャツを借りましょう。正確なサイズが分からないと購入後に困ります。直し後はどのスーツ屋でも返品交換ができず、来店している以上クーリングオフもできません。

基本的には、裾を直してもらい(場合によっては袖やウエストの直し等)終わりです。

全身で試着したら、店員さんが裾をとってくれますので、試着室を出て店員さんを呼んでください。

⑥買い足し等

スーツの試着が終わると、大体の場合シャツやネクタイ、シューズの買い足しがないかが聞かれます。ある場合は、一緒に購入しましょう。シャツのサイズも店員さんが図ってくれます。

スーツと一緒だと安くなる場合もありますので、キャンペーン等を確認するとお得に買い物ができると思います。

⑦会計

伝票を店員さんが作成してくれます。基本直しの個所にもよりますが、数日から長くて2週間ほどを目安に納期日の設定を行います。お店によっては即日仕上げを承る店もあります。

会計を済ますと、スーツの引き換えチケットをもらえます。

⑧受け取り

チケットを店員さんに渡すと、直されたスーツがでてきます。試着を促されますので、できるだけ試着して、もし誤差等があれば、再調節をその場でお願いすることができます。お店によっては再調節が無料だったりしますので、気兼ねなく聞きましょう。ショップスタッフとして働いていたときは、10人に1人くらいは再調節をお願いされていたと思います。

注意点

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